ユアンさまセリフ集(ファンダムvol.2)

ファンディスク「テイルズ オブ ファンダム vol.2」内の「もうひとつの交響曲」でのセリフ。

決意

ユアン

…

クラトス

……待たせたな。

ユアン

終わったのか?

クラトス

……終わりがミトスの死を指すのなら、終わったと言っていいのだろう。

ユアン

…
そうか……。ミトスは……逝ったのか……。

クラトス

ミトスを倒したのはロイドたちだが、滅びの道へ誘ったのは我らだ。

ユアン

そうだな。マーテルを失ったあの時、私もミトスもおまえも、未来に絶望した。誰もミトスを止めなかった。
私たちは気付くのが遅かったのだな。

クラトス

…
ユアン。彼女――ケイトを頼む。オゼットまで送ってやって欲しい。

ユアン

オゼットか……。いいのか? あの村はもはや滅びた村だ。

ケイト

クラトスさんにも言いましたけど、私はあの村を復興するお手伝いをしようと思うんです。
そしてもしも可能なら、オゼットに根付いていたハーフエルフへの差別感情を取り除く手伝いをしたい……。

ユアン

おまえもハーフエルフだったな。

ケイト

はい。クラトスさんから、ミトスさんたちの話を聞きました。
四千年前のハーフエルフが変えようとした世界……。
私も今を生きるハーフエルフとして、何か協力したいんです。

ユアン

……そうか。ミトスが聞いたらどう思っただろうな。素直に喜んだだろうか……。

クラトス

そうだな。あれも……心の奥底では、全てをやり直す再生の時を待っていたのではないかと信じたい。

ユアン

ミトスはやり直すことを良しとはしなかった。マーテルへの四千年を経た思慕が、それを許さなかったのだろう。

クラトス

……そうだな。

ユアン

一つ聞きたい。おまえはこれからどうするつもりだ?

クラトス

私にはまだやるべきことがある。

ユアン

やるべきことだと?

クラトス

私はミトスを救ってやることも、共に堕ちてやることも出来なかった。
どちらも選ばず、引導を渡すことすらロイドに任せ、ここにいる。

ユアン

それは私も同じだ。

クラトス

おまえはマーテルの言葉を守ろうとした。私とは違う。
私か過去と決別しなければならない。そうしなければ、前に進むことも消えることも叶わぬ。

ユアン

……死ぬつもりか。

ケイト

……! そんな! 本当ですか、クラトスさん!

クラトス

……この四千年で、星の数ほどの人々がエクスフィアの犠牲となった。
恐らくミトスは、人類史上もっとも多くの人間を殺した存在だろう。
私の中には、そのミトスの理想を信じた自分がまだいるのだ。私も大量殺りくを担った罪人だ。

ユアン

おまえはロイドの理想に共鳴したのではないのか?

クラトス

一度はミトスを信じた私が、ミトスが倒れたからといってロイドの元へ行くのは虫のいい話だろう。
罪人であることは変わらないのだ。

ケイト

ロイドさんはそんなことを言わない筈です!

クラトス

私が私自身でその道を選び取っていれば、或いは自分を許してやれたかも知れぬ。
だが私は、ロイドが道を一つにするまで手をこまねいて見ていた。
ロイドがミトスを倒したように、私も倒されねばならない。

ユアン

ロイドと戦うのか。それもまたロイドに頼っているのではないか?
自分の息子に父殺しの罪を背負わせることになるのだぞ。

クラトス

……私はロイドの父親だが、同時に四千年前からのミトスの同志でもあるのだ。
それにオリジンの封印のことはおまえも知っているだろう。

ユアン

おまえが体内のマナを全て放出することで、オリジンが解放される。

クラトス

そう……。体内のマナを放出すれば、遺されるのは死のみ。私の死はロイドにとって必要な要素なのだ。

ユアン

…
だがロイドなら、別の道を探そうとするのではないか?

クラトス

……そうだな。かつてのミトスのように、そうするかも知れぬな。

ユアン

ならば、おまえもその道を歩まないのか?

クラトス

私は……過去の人間だ。過去を清算し、未来を預ける義務がある。
ロイドと共に未来を歩むのは、私でなくロイドの仲間たちでいい。

ユアン

老兵は去るのみ、か。

クラトス

我らは生きすぎた。違うか?

ユアン

……強情な男だ。おまえがそうと決めたのなら、好きにするがいい。
……私も自由にさせてもらう。

クラトス

……ケイトを頼むぞ。

ケイト

ユアンさん。クラトスさんを止めて下さい!

ユアン

…
ロイドたちはオリジンを解放しなければならない。
その為には、奴が命をかけなくてはならないのだ。

ケイト

でも……!

ユアン

わかっている。私もむざむざあの男を死なせはしない。

ケイト

でも体内のマナを放出するという話は……。

ユアン

……成功するか分からぬが、私に考えがある。

ケイト

考え?

ユアン

私の体内のマナを分け与える。
ハイエクスフィアの機能があれば、体内のマナを放出しきっても、細胞の崩壊を一時的にくい止めることが出来るはずだ。
その間に、私のマナを分け与えることが出来れば……或いは……。

ケイト

……危険です。あなたも命を落としかねません。

ユアン

……あの男一人に、いい格好をさせておく訳にもいくまい。
それに奴の言葉ではないが、我らは長く生きすぎた。

ケイト

ハイエクスフィアの能力を考えると、理論的には不可能ではない筈です。
……私は、お二人が無事であることを祈るしか出来ませんが、どうか無理はなさらないで下さい。